電気工事士の皆さん、そしてこれから電気工事士を目指す皆さん、こんにちは!
「いざ電気工事を始めよう!」と思った時、まず悩むのが「どんな工具が必要なんだろう?」ということではないでしょうか? ホームセンターにはたくさんの工具が並んでいて、どれを選べば良いのか迷ってしまいますよね。
この記事では、日々の業務で「これがないと仕事にならない!」と実感する電気工事士に必須の工具を厳選してご紹介します。
これから工具を揃える方はもちろん、今の工具を見直したい方も、ぜひ参考にしてみてください!
なぜ工具選びが重要なのか?
「別に安い工具でもいいんじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。しかし、電気工事において工具選びは非常に重要です。
- 作業効率の向上: 適切な工具は作業時間を短縮し、効率を大幅にアップさせます。
- 安全性の確保: 不適切な工具は事故の原因となることがあります。品質の高い工具は、作業中の危険を最小限に抑えます。
- 仕上がりの品質: 正確な作業には正確な工具が不可欠です。仕上がりの美しさにも直結します。
- 耐久性と経済性: 安価な工具はすぐに壊れてしまい、結果的に買い替え費用がかさむことも。長く使える良い工具を選ぶ方が経済的です。
これだけは揃えたい!必須の基本工具
まずは、どんな電気工事を行うにしても必ず必要となる基本中の基本の工具をご紹介します。
1. ドライバー(+、−)
用途: 配線器具の取り付け、端子締め、制御盤内の配線作業など、あらゆる場面で使用します。
選び方のポイント:
- サイズ: JIS規格のプラスドライバー(#1, #2, #3)とマイナスドライバー(刃先幅3mm~6mm程度)は必須です。特に#2のプラスドライバーは使用頻度が非常に高いです。
- 絶縁タイプ: 活線作業を行う可能性があるため、必ず絶縁タイプのドライバーを選びましょう。感電事故を防ぐ上で非常に重要です。
- マグネット付: ネジを落とす心配が少なく、作業効率が上がります。
2. ペンチ
用途: 電線の切断、曲げ、ねじり、挟む作業など、多用途に使える万能工具です。
選び方のポイント:
- サイズ: 一般的な電気工事では200mm程度のものが使いやすいです。
- 絶縁タイプ: ドライバーと同様、絶縁タイプを選びましょう。
3. ニッパー
用途: 細い電線の切断、ケーブルの外装剥ぎ取り(外皮剥き)などに使用します。
選び方のポイント:
- 切れ味: 切れ味が良いものを選びましょう。力を入れずにスパッと切れるものが理想です。
- サイズ: 150mm~200mm程度が一般的です。
4. ワイヤーストリッパー
用途: 電線の被覆を剥がすための専用工具です。これがないと作業効率が格段に落ちます。
選び方のポイント:
- 対応電線サイズ: 自分が主に扱う電線(VVFケーブル、IV線など)のサイズに対応しているか確認しましょう。
- 自動式 vs 手動式: 自動式は初心者でも簡単に被覆を剥けますが、手動式は細かい作業に向いています。どちらか、あるいは両方あると便利です。

5. 電工ナイフ(VVFストリッパー)
用途: VVFケーブルの外装を剥ぎ取る際に使用します。
選び方のポイント:
- 専用の電工ナイフ: VVFケーブル専用のものがおすすめです。誤って心線を傷つけるリスクが低減されます。
- 切れ味と耐久性: 刃の切れ味と耐久性も重要です。
6. 圧着工具
用途: 裸圧着端子や絶縁被覆付圧着端子を電線に圧着するための工具です。これがないと接続不良を起こし、事故に繋がる可能性があります。
選び方のポイント:
- 対応端子サイズ: 自分が使用する端子のサイズに対応しているか確認しましょう。
- JIS規格品: 必ずJIS規格品を選びましょう。適切な圧着強度が得られます。


7. 検電器
用途: 通電の有無を確認する工具です。感電事故防止のために、必ず作業前に確認しましょう。
選び方のポイント:
- 非接触式: 非接触式のものは、活線に直接触れることなく検電できるため安全です。
- 音と光で知らせるもの: 両方で知らせるものだと、より確実に確認できます。

8. メジャー(コンベックス)
用途: ケーブルの長さや配線距離の測定に使用します。
選び方のポイント:
- 長さ: 3m~5m程度のものが一般的です。
- 目盛りの見やすさ: 瞬時に読み取れる見やすいものが良いでしょう。


9. 水平器
用途: コンセントやスイッチボックス、照明器具などの取り付け時に水平を出すために使用します。仕上がりの美しさに直結します。
選び方のポイント:
- サイズ: 200mm~300mm程度のものが使いやすいです。
- マグネット付: 金属面に仮置きできるマグネット付きだと便利です。

10. ハンマー
用途: ボックスの固定や釘打ち、軽作業全般に使用します。
選び方のポイント:
- 適度な重さ: 軽すぎず重すぎない、扱いやすい重さのものが良いでしょう。
あると便利な役立ち工具
上記の必須工具以外にも、作業効率を上げたり、特定の作業で活躍する便利な工具があります。
1. ケーブルカッター
用途: 太いケーブルを切断する際に使用します。ペンチやニッパーでは切断が困難な場合に重宝します。
2. リーマー(電工ナイフの根元など)
用途: 電線管のバリ取りに使用します。バリがあると電線が傷つく原因になります。
3. テスター(回路計)
用途: 電圧、電流、抵抗などを測定します。故障診断や回路チェックに不可欠です。


4. インパクトドライバー/電動ドリル
用途: ネジ締め、穴あけ作業の効率を格段に上げます。特にビスを多用する作業では必須級です。
選び方のポイント:
- バッテリー式: コードレスで取り回しがしやすく、屋外作業でも便利です。
- トルク調整機能: ネジの締めすぎを防ぎます。


5. グリッププライヤー(バイスプライヤー)
用途: 部材の固定や、固く締まったネジを回す際などに使用します。
6. 腰袋(工具差し)
用途: 頻繁に使う工具を手元にまとめておくことで、作業効率が大幅に向上します。
選び方のポイント:
- 収納力: 自分が使う工具が収まるか。
- 耐久性: 丈夫な素材でできているか。



7. ヘッドライト
用途: 暗い場所での作業時に手元を照らします。両手が使えるため非常に便利です。

工具選びの注意点
- 品質の良いものを選ぶ: 特に絶縁工具は、安価なものだと絶縁性能が不十分な場合があります。メーカー品で信頼性の高いものを選びましょう。
- 用途に合ったサイズを選ぶ: 細かい作業には小さいもの、力がいる作業には大きいものなど、用途に合わせて適切なサイズを選びましょう。
- 定期的なメンテナンス: 工具も消耗品です。定期的に手入れを行い、必要に応じて交換しましょう。
まとめ
電気工事士にとって工具は、まさに「商売道具」。適切な工具を選ぶことは、安全で効率的、そして高品質な工事を行うために不可欠です。
今回ご紹介した工具は「これがあって助かった!」と感じるものばかりです。まずは基本の工具から揃え、徐々に自分の作業スタイルに合わせて必要なものを買い足していくのがおすすめです。
この記事が、皆さんの工具選びの一助となれば幸いです。安全に、そして楽しく電気工事に取り組んでいきましょう!